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第13回秋祭り芋煮会(2017/11/12)

  • san
  • 2018年1月5日
  • 読了時間: 8分

今年で第13回目を迎えた、スノードロップの秋祭り芋煮会は、大成功に終わりました。 朝8時。 こんこん神社(五郎久保神社)には、早くからスタッフがお祭りの準備を進めていました。空には雲がひとつも見えず、空気は冷たく、とても爽やかでした。 まさにお祭り日和といった気候でした。 たくさんの人が来てくれるんじゃないかなと、私は始まる前からわくわくしていました。

芋煮、玉こんにゃく、チョコバナナ作りと、出店の準備やテント張り、机のセッティング、バザーの準備などが着々と進んでいきます。

一人、二人とスタッフのみんなが集まり、さらにチアダンスの女の子達がやってくると、お祭り会場に華やかさが増します。ポンポンの鮮やかなグリーンが、祭りの気分を高めてくれました。

午前11時前には芋煮でいっぱいになった鍋が4つ以上出来上がり、長机の上に並んでいました。 お馴染みの伊藤のおじいちゃんが指揮を取って、気合十分で朝から芋煮を作ってくれていました。カッカッカッカッカッ、というおじいちゃんの笑い声と笑顔に、いつもつられて私は笑顔になってしまいます。

スタッフには早めのお昼として、芋煮がふるまわれました。 具だくさんでアツアツの芋煮、お肉の出汁が効いていて、サトイモは柔らかく、今年もとても美味しかったです。風で冷えた身体に、じんわりと温かさが広がりました。

芋煮を食べ終え、リハーサルなど最終チェックを終​えると12時前。 今年は、オープニングの前にチンドン屋さんによる呼び込み演奏がありました。 スノードロップ楽団の木管メンバーもエプロン、三角巾を外して御神輿倉庫側のステージへ。

「スーダラ節」のメロディが流れ、チンドンチンドンと締太鼓とチャンチキの音が軽快に鳴ります。

そして、いよいよ、お祭りの始まりです。 glittersのオープニングチアダンスが勢いよくはじまりました。

入口の受付テントの方を見ると、公園の外に、たくさんの人が並んでいる様子が見えました。開始前から地域の方々が、列をなして待ってくださっていました。

隣のブロックにまで列は続いていました。開始と同時にこんなにたくさんの方々が来てくださったことに、スタッフのみんなが驚いていました。爽やかな空、一方で冷たく吹いてくる風が、お客さんを運んできてくれたのかも知れません。そして、地域の方々に芋煮会がすっかり浸透して周知されているんだなと嬉しい気持ちになりました。

食券を買った人たちが、芋煮や焼きそば、玉こんにゃく、フランクフルト、コロッケ、おにぎり、チョコバナナなど、お目当てのものを目指してぞくぞくと神社の中の方までやってきました。売り場もすぐに列が出来ていました。

そして、神社の中はあっという間に活気でいっぱいになりました。 境内の中央に広く敷かれていたブルーシートの上には、長机を囲って多くの人が、思い思いの食事どきを楽しんでいました。バザー品を手に取って見る人、買う人。ゲームコーナーで遊ぶ子供たち。掲示物をじっくりとみている人たち。芋煮会をみなさん楽しんでおられました。

13時。 再びglittersによるチアダンスが披露されました。こちらがメインステージです。

少人数のダンスから始まり、最後には全員でのダンスを見せてくれました。迫力がありました。途中、「ゴーゴー、ゴーゴー芋煮会♪」という掛け声が聞こえてきました。 全員の足が高く上がっていて、すごく格好良いダンスでした。

14時からは、三線&ギターユニット「ゆいまーる」の演奏が始まりました。 2本の三線(伊藤くん&ちーちゃん)とギター(昂ちゃん)、カホン(まりさん)で曲を演奏します。そして、ボーカルはちーちゃんと昂ちゃんの二人が担当します。 1曲目は「愛の歌」です。

ちーちゃんの透き通った、艶のある歌声がひびき、それまで賑やかだった会場は静かになり、みんながその歌声に聞き入っていました。 三線の音色、ギター、カホンのリズム、そして昂ちゃんの声も重なります。

2曲目「笑顔のまんま」は昂ちゃんがメインのボーカルを務めました。 演奏は、ギターとカホンです。

この曲は、明石家さんまさんが作詞した曲です。明るくて前向きで、底抜けに楽観的な歌詞は怜くんの笑顔を思い出させてくれます。

ゆいまーるの演奏が終わると、再び会場は人々の声で賑わいます。

大塚先生は、マイクを持って、会場内のあちこちを歩き回り、インタビューをしたり、芋煮などの売れ行きを宣伝したり、お祭りを盛り上げてくれました。 14時半ごろから、楽団メンバーは持ち場を離れて楽器の準備へ。 社務所前のやきそば、フランクフルトの売り場は撤収され、演奏会に向けてセッティングが行われていきます。 その間、お客さんを、特に子供たちを惹きつけてくれているのが、マジックショーです。 今年も井原さんが、特技のマジックで楽しませてくれました。

社務所の中には境内の方に面するかたちで人数分の椅子と譜面台が並びます。 メンバーはみんな、お揃いの黒のTシャツを着ています。 指揮とピアノ演奏をしてくださる日下部さんも、ステージの右側へ。 怜くんは左側に美緒ちゃんとスタンバイです。

15時。 スノードロップ楽団の演奏会が始まりました。

演奏会からは、司会者のバトンタッチです。 アトリエ村定期演奏会でいつも司会を務めてくださる布施川さんがマイクを握ってくださいました。スノードロップの思いを、そのまま自然に伝えてくださる布施川さんの言葉に、いつもほっと安心します。

1曲目はフィンガーファイブ・メドレー。 楽譜が初めて配られたのは、2年ほど前だったような。 ずっと温めていた曲が、こうしてお披露目されることもあります。 勢いがあり、ノリの良いリズムをまりさんのドラムが弾きます。 各パートのソロもあり、演奏していても、とても楽しい曲です。

そして、リズム体操さくらさん達も一緒に、芋煮会を盛り上げてくださいました。

今回の演奏会では、全部で12曲を用意しました。 楽団メンバーは、また一層に増え、今年はバリトンサックスやチューバの重低音が土台を作ってくれていたので、安定感と迫力を増すことができました。 それぞれが学校や仕事、家の用事などのある中、週に2回集まり、演奏会が近づくと土曜日も集まって練習を重ねてきました。遠方からは、片道1時間半以上かけているメンバーもいます。それぞれの音が、こうした練習を経て集まり、重なって、広がっていきます。

私がもし、スノードロップ楽団の一番いいところは?と尋ねられたら、 「みんなが本当に楽しんで演奏しているところ」と答えます。 誰かと競うわけではなく、自分の気持ちを音に乗せて表現できる楽しさがスノードロップ楽団にはあります。 お客さんとの間に音楽が生まれ、その瞬間が何よりも楽しいです。

そしてもう一つ。私はトロンボーンパートを担当しているのですが、今年の春から九州へと転勤してしまった一成くんでしたが、この日のためにマイトロンボーンを用意して東京へ駆けつけてくれました。 一成くんの穴を埋めるべくトランペットからトロンボーンへと転身した昂ちゃんと、3本のトロンボーンで演奏することができました。 昂ちゃんは、一成くんのトロンボーンを譲ってもらった時に、「芋煮会までに上手になってるから」と約束を交わしていたそうです。 トロンボーンの前の席にいたバスクラリネットの黒ちゃんから、演奏後に「トロンボーンの音がビリビリと伝わってきてすごかったよ」と教えてもらって、改めて嬉しかったです。

最後の曲、「まつり」の演奏が終わりました。 高校生のきぃちゃんと、大学生のゆいちゃんのそれぞれのソロが気持ちよく鳴りひびきました。 「アンコール! アンコール!」 境内には徐々に声が広がって、手拍子がそろい、お客さんみんなが、こちらを見てくださっていました。 もう終わってしまうのか……とさみしい気持ちもありましたが、アンコールをいただけた嬉しさもありました。 アンコール曲は「上を向いて歩こう」を演奏しました。 演奏を終えたころには、もう辺りは暗くなりはじめていました。 寒いなか、多くのお客さんが演奏を観てくださいました。

13回目の芋煮会は、これまで以上にお客さんが集まり、賑やかで楽しいイベントに成長していました。たくさんの人が楽しんでくださいました。

怜君、昂ちゃんは、今年18歳になりました。 ふたりが4,5歳の幼いころから始まった芋煮会が地元、東長崎でひとつの大きなイベントとして続いていくことは、私たちにとっても、大きな安心です。 すぐ近くに、たくさんの仲間がいる。 困ったときに、いつでも駆けつけてくれる仲間がいる。 重度の麻痺がある怜大くんが、地元の普通小学校に通い、 地元、東長崎で暮らしてきた中で、出来上がったお祭りだと思います。 まさかの時の友。スノードロップの花言葉です。 困ったときは、いつでも助け合う。 1人で全部抱え込まなくてもいいんだよ。 ひとりぼっちじゃないんだよ。 スノードロップの中で私はそう教えてもらっているように感じます。 隣同士で競争したり比べ合ったりせず、のびのびと優しい関係で繋がって、広がって。 そういう場所を、これからも作っていきたいです。

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